エスパーまみ
家で夫婦そろってテレワークをしていると、
夫の会議の声とかが普通に聞こえてくる。
会社にいるとフロアにいるいろんな人の話し声の中で仕事をしていたが
家にいると夫が誰かと話しているのが
唯一のノイズということになる。
夫は、自分のことを自分が一番分かっていないことを例えるのに
エスパーまみのエンディングの歌を引用する。
【わたしだけが~ わたしの恋を~ ああ~未確認】
というやつだ。
オンライン会議で誰かと話をしているらしく、またその引用を使った。
「ご指摘ありがとうございます。言ってもらって助かります。
人のことは分かるのに自分のことだと気づきないことってあるじゃないですか。
エスパーまみの歌にもあるじゃないですか。
わたしだけがわたしの恋を未確認、と。」
・・・
言った後、長い沈黙が流れている。
それはうまく伝わっているのか、クスリとも笑いが起きているのか
気になってしかたがない。
オンライン会議でヘッドホンをしているので相手の反応は伺い知れない。
言われたほうも、「あーはい」となるのか
「知らんし」ってなりそうだし
「エスパーまみ、て」ってなるだろうし
いずれにしても反応に困るだろうなぁとか
想像していると、じわじわと面白くなってくる。
組織のマネジメントの在り方をいうときに、スポーツの監督の話をする。
「サッカーやラグビーの監督を見てごらん。スーツを着ているだろ。
試合が始まったら選手に任せてるんだよ。これらは選手のスポーツなんだよ。
野球を見てごらん。監督は選手と同じユニホームを着てるだろう。
スポーツの中でも唯一監督が選手と同じ格好をしてるんだよ。
あれは監督のスポーツなんだよ。」
と。
これ鉄板ネタで、初めて聞いた人はおおむね
「確かに、その通りだ。気づかなかった。」
と、いいこと聞いたリアクションをしてくれる。
自分から招いた困難を自分で解決して手柄をとったように見せかけることを
「それは江夏の21球だよ。」と言ったりする。
比喩を使うことは重要だと力説していている。
確かに物事の本質や成り立ちを分かってないと比喩を使うことはできない。
ただ、元落研でもある夫は、ただうまいこと言ったなーと
思われたいだけだと思うんだけどね。くすっと笑いもおきるしね。
サービス精神旺盛というか。
しかし私の日常はこういうじわじわくる笑いでいつも支えられている。