ずんの日記

毒にも薬にもなりませぬ

なんちゃって小説

【連載小説】女友達 第3話(最終回)

わたしは彼女に友達ではなく、家族というカテゴリを押し付けた。家族は、相手がいかにダメな人間であろうが、価値観が違っても成立する。そのような位置づけであり、友情とは真逆なのだ。しかし、わたしはそのことにも無自覚だった。「家族だと思えば、なん…

【連載小説】女友達 第2話

最初サロンは赤字が続いた。ネット集客にも力を入れて二年くらいすると収支はとんとんになっていた。三年目には軌道に乗って利益も出始めた。彼女が辞めると言ったのは、これでなんとかなりそうだと思った矢先だった。他の人を探してサロンは続けるというこ…

【連載小説】女友達 第1話

今はもう、いっさい連絡をとらないかつての「女友達」がいる。こんなにSNSが普及して、共通の知り合いも多くいるし、どんなに情報を遮断しても、うっかり彼女の現状などを見聞きしてしまうものだろうと思うのに、しかし全く情報が入ってこない。あんなに…