ずんの日記

毒にも薬にもなりませぬ

【読書感想】アル中ワンダーランド/まんきつ/扶桑社文庫

まんきつさんという方が描いた エッセイ漫画というのだろうか そんな文庫を買った。 買ったのは上田のブックカフェNAVOというお店。 古民家を改装して2階まで吹き抜けて、所狭しと 本や文具や雑貨などがディスプレイされている。 ただ新刊を並べている普通の…

【読書感想】家族終了/酒井順子/集英社文庫

家族に「普通」はありません。 背表紙の帯に書かれたこの言葉。 このことにもっと早く気づいていたら、もう少しうまくいったのだろうか。 選択を変えただろうか。 わたしには、ちょっとした心の闇がある。 わたしと酒井順子さんの基本スタンスはほぼ一緒。(…

「不労所得」とか「家賃収入」とか

「働かざる者食うべからず、わたしの好きな言葉です。」 と、メフィラス星人なら言うのだろうか・・・ ここ最近、資産運用のことを考えている。 いろいろ本を読んだり、ユーチューブのお金の授業なんかも参考にして ひとまず楽天証券に口座を作ってつみたてN…

【読書感想】雪国/川端康成/新潮文庫

2022年4月23日 五反田のよく分からないイタリアンレストランに入った日。 まだ寒い4月。夕方雨が降り始めた。 歩道橋から高架下の写真を撮ったらソールライターみたいな写真がとれて 機嫌は良い。 一人で入ったよく分からないイタリアンレストラン。人は誰…

【読書感想】女のいない男たち/村上春樹/文春文庫

やっと読みました。やっとありつけた。 昨年、夫がこの本を買って読んでいるのは知っていたので わたしも終わったら読もうと思っていたのだが 2021年12月に軽井沢の山小屋を戸締りして、東京に出稼ぎに。 その時に、軽井沢にこの本を置いてきてしまっ…

【読書感想】掃除婦のための手引書/ルシア・ベルリン/講談社文庫

ルシア・ベルリンの掃除婦のための手引書は、上半期一番おもしろかった本になったかもしれない。 印象に残った一節に付箋を貼っていったら すごい量になった。 彼女の物語は、とにかく登場人物が秀逸なのだと思う。 子供のころの学校の先生やシスター 断酒会…

軽井沢生活「蕎麦」が日常を占める割合

今日は、猿が我が家の屋根を歩いて通っていった。ねずみが走り回るのとは違う重量感のある足音。うちには猫がいるので、猫が力強く走っているのかな~と思っていたら猫たちも少し殺気だって、1階と2階を行ったり来たりしている。バルコニーのほうをみると…

【読書感想】生きてるだけで、愛/本谷有希子/新潮文庫

ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが亡くなったニュースが流れている。 いつも気になるのは、そうなる前に、精神科のお医者さんにかかっていたか どうかということだ。 そういうことに全く触れられていないので 恐らくかかってなかったのだろうと推察する。 全く…

【読書感想】私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?/能町みね子/講談社

自分ちの猫が一番かわいい、なんていうことは もう、いまさら。 言うまでもなく。 そんなことわざわざ言われなくても。 産まれる前から知ってた、くらいの。 当たり前すぎて。 ちゃんちゃらおかしい。 そんな本でした。 そもそも「私みたいな者に飼われて」…

【読書感想】書きあぐねている人のための小説入門/保坂和志/中公文庫

この本は夫の本棚から引っ張り出してきたものである。 保坂先生の本をまだ読んだことがないわたしだが この小説入門を読んで、うん、背中を少し押してもらった。 小説を書くとはいかなることかが少し分かった気がしたし、 かえって自分にもできるかもと思わ…

【読書感想】静かに、ねぇ、静かに/本谷有希子/講談社文庫

あっという間に読み終えた「静かに、ねえ、静かに」 本谷有希子さんの短編3話。 本当の旅、の「五反田のありがたみ」は笑ったし 奥さん、犬は大丈夫だよね?の、大きな魔法瓶に入った 犬のにおいがするぬるくてまずいコーヒーは、 それだけでいろんなことを…

【読書感想】「三島由紀夫」とはなにものだったのか/橋本治/新潮文庫

わたしはこの本を読了して、なんともいえない充実感にひたるのだった。 益々、橋本治氏への敬愛の念が強くなる一方だ。 橋本治先生はわたしにとって文学の先生であり心の友という感じ。 橋本先生の本を読むと、いつも本が付箋でいっぱいになる。 橋本先生の…

【読書感想】嚙み合わない会話と、ある過去について/辻村深月/講談社文庫

もう30日だったか。 「噛み合わない会話と、ある過去について」は週末読みました。 こわかったー。 なかなかこわかった。 過去についての自己認識を超えた他者の過去の記録を聞かされるのは それなりにこわいことだ。 奇しくもこれを読み終えた週末の日曜日…

【読書感想】徴産制/田中兆子/新潮文庫

「 田中兆子さんの「徴産制」を読みました。 「甘いお菓子は食べません」も以前に読んで、 あー、好きだな、この人の小説、と思ったので 新刊のこれにも手を出してみた。 コロナ後に書き進められたものだろうか、ありそうな話で引き込まれる。 スミダインフ…

【読書感想】すばる文学賞「ミシンと金魚」「我が友、スミス」

小説を書くことに興味を持ち始めたわたしは 比較的本を読み漁っている。 今年こそ「読書100冊マラソン」も達成できそうだ。 そんなわけで文芸誌なども好きなのだが、2021年11月号のすばるは、すばる文学賞受賞作が2編も入っていてすごく買ってよかったやつ。…

阿佐ヶ谷姉妹の自由について

唐突だが、阿佐ヶ谷姉妹がとても気になる。 以前からとても好きで、もちろん「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」も読んだ。 あの中の、美穂さんの恋愛短編小説が秀逸だと思った。 エッセイのほうは、江里子お姉さんがとても上手ね。毒や本音をいり交ぜて…

わたしの好きな「アル中」文学

昨日もほとんど明け方まで、お酒を飲みアマゾンプライムをだらだらと見続けるという不毛な時間を過ごした。いや、不毛とは思っていないというか、不毛おおいに結構というべきか。 ここで2つアル中本をreiewしたい。 1つは中島らもの「今夜すべてのバーで」…

ジェンダー問題がまた一歩進んでいる

能町さんの「そのへんをどのように受け止めてらっしゃるのか」や バービーさんの「本音の置き場所」などを この年末年始に、ふふふとほくそ笑みながら読んでいた。 こういうエッセイ本が大好物のわたしだ。 切れ味鋭くウィットに富んでいる彼女らのようなエ…