ずんの日記

毒にも薬にもなりませぬ

【読書感想】すばる文学賞「ミシンと金魚」「我が友、スミス」

小説を書くことに興味を持ち始めたわたしは

比較的本を読み漁っている。

今年こそ「読書100冊マラソン」も達成できそうだ。

そんなわけで文芸誌なども好きなのだが、2021年11月号のすばるは、すばる文学賞受賞作が2編も入っていてすごく買ってよかったやつ。

 

「ミシンと金魚」は、永井みみさん、

すごいものを読ませてもらった。

ひきこまれた、話がどんどんえぐくなっていく、昭和の貧しい、やくざ的な世界もそこに入ってくるが私にはあまりに未知の世界、その中に生きる女性、想像を絶する現実。

私はそのように読んだ。

老人文学とも言うらしいが、高齢女性の壮絶人生が文学になりつつある、と思う。

芥川賞クラスではないですか、これ。

圧倒的にひきこまれて、ほぼ1日で読み終えたのも私には珍しいことだ。

 

佳作の「我が友、スミス」は石田夏穂さん、

親しみやすい文体で、とても自然な独白調で、何度か笑ってしまう部分もあったり

にやにやしてしまった。直接話を聞いているみたいに

不思議と親近感の湧く文章だった。

やはり女らしさ、現実に求められる女らしさに苦しくなる女性の話なのかと思う。

別の生き物になりたい。

それが筋トレへといざなう。

しかしその先に待っていたものは・・・

山のいきものになりなさい!は、また別の小説だけれども

現実社会の生きにくさを多くの小説で直面する。

 

いずれも私の半径10mくらいにはない世界で、おのの平凡さに嫌気が刺すが

しかし小説が、この狭い平凡な我が日常に世界をもたらしてくれるというね

 

いずみん@テレワークで部屋にぽつんの毎日だ

 

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