【読書感想】静かに、ねぇ、静かに/本谷有希子/講談社文庫
あっという間に読み終えた「静かに、ねえ、静かに」
本谷有希子さんの短編3話。
本当の旅、の「五反田のありがたみ」は笑ったし
奥さん、犬は大丈夫だよね?の、大きな魔法瓶に入った
犬のにおいがするぬるくてまずいコーヒーは、
それだけでいろんなことを想起させる。
でぶのハッピーバースデーも冴えない夫婦が目の前にいるようだった。
私もこの1か月ほど歯医者に通うようになって、
やっと歯のメンテナンスをはじめたところで
ちょうど先週親知らずを抜いたばかりだった。矯正も考えている。
そんなわけで、この話とこのタイミングで出会ったのは妙な縁を感じた。
本谷有希子さんは劇団を主宰する演出家、演劇人でもあるようなので
小説の人物もキャラクターが見事に立ち上がっており
彼らの一挙手一投足が面白いのだ。
ぎりぎりコントにならない、
ぎりぎりのリアルと滑稽さのあいだをかすめていく。
あと、巻末の解説が武田砂鉄さんというのもまた、いい。
彼のアシタノカレッジファンなので、
悪乗りというわけではないが、SNS社会への皮肉に輪をかけて
解説しているところがさらによかった。
いずみん@いいヴァイブスみせてもらった 笑