【読書感想】「三島由紀夫」とはなにものだったのか/橋本治/新潮文庫
わたしはこの本を読了して、なんともいえない充実感にひたるのだった。
益々、橋本治氏への敬愛の念が強くなる一方だ。
橋本治先生はわたしにとって文学の先生であり心の友という感じ。
橋本先生の本を読むと、いつも本が付箋でいっぱいになる。
橋本先生の三島の解釈は「意地悪な人」から始まる。
そしてなぜ死ななければならなかったのか、を解いていく。
三島由紀夫は疑いようのない天才と評しながら
橋本先生が与えた三島由紀夫解釈を、私なりに以下にサマリーしてみた。
・自分なりの人生を生きられない
・妄想に住まう権力者(芸術家)
・自分を愛そうとする者に死を命じる
・自分の恋の不可能
・大人を傷つけることが怖くてならなかった子
・高い塔に閉じ込められた少年=甘美な幽閉
・自分を助けに来た者の死を見て
ほーら、やっぱりだめだっただろう、と思い
助けを望まない自分自身の正しさに陶酔する人
That's 三島由紀夫。
そして橋本氏は自分のことをこう言っている。
橋本=自分を閉じ込めてくれる塔に出会えなかった不幸な王子様♡
(最後のハートは書いていないが、わたしにはハートがみえた)
いずみん@橋本先生LOVE