ずんの日記

毒にも薬にもなりませぬ

あなたは今ゴールド会員ですという余計なお世話

すっかり慣れてしまったが
わたしはショッピングポイントというシステムが元来嫌いで
メンバーシップの格付けシステムも大変不愉快である。

 

現在のステータス:ブロンズとか
あといくらのお買い物でダイヤモンド会員とか
うるさい。

 

が、あちこちでいろんな位を授かっている。

 

ポイントカードをまともにもらって財布に収めてしまうと
ミニバッグくらいの大きさになってしまうのでもらわないようにしている。

 

Tポイントカードお持ちですかぁ、いや大丈夫です、を繰り返す煩わしさについても
コントのネタにすらなっている。

 

昨年、ANAプラチナメンバーというものになったらしく、カードが送り付けられてきた。飛行機に乗れば乗るほど優遇されて、選ばれしものになるこの仕組み。
まったく嫌味な世界である。
わたしはたまたまその前年の海外出張が多かったので、格上げされたらしかった。
海外にちょっちゅう旅行する人や出張する人なんておおむね経済的に恵まれているか収入のいい人ばかりだし、そんな人が仕事をすればするほどマイルとかやたらたまったりラウンジでただ酒くらったりできるんだから、なんか馬鹿馬鹿しい。
その上、出張というのは実はあれはあれで慣例化していることが多く
人と直接会うことの意義がないとは言わないが
あまり生産性が高い活動ではないと思う。なおかつ、ジャンボジェットの環境負荷が多大なるものならば、考え物ではないだろうか。
現に、今コロナ禍ですっかり出張はなくなったが
そのために仕事が滞っているということも今のところない。
たいした効果がないわりに、体力はしっかりうばわれて、やってます感が出る。

 

話を戻すが、ポイントも貯めることに執着したくないので使える単位になったらこまめに使うようにしている。マイルもそう。ポイントは支払った金額に含まれていると考えるのが妥当。だからあれをたくさんもらえるように買い物マラソンしていらないものを買ったり、期限切れて失効したら本末転倒だ。

 

本当はその場でポイント分ひいといてくれ、と思う。これは関西人のアイデンティティだ。
(筆者は関西出身であり、大阪文化で育っている)
1980年から1990年くらいだろうか、大阪日本橋界隈の家電量販店に家族で行って
ちょっとした大きな買い物をするというのは年末の恒例行事であった。
父が店員さんと値段交渉をするというのもお決まりの儀式。
端数を切らせて切りのいい数字にさせるとか、これも買うから抱き合わせでまからんか(まけることができますか)、
というのが大体のやりくちで、またこういうやりとりが好きなのだ。
そうすると店員は神妙に、ちょっと奥で店長に確認してきます、とかなんとか言って
店長と交渉を取り付けた、みたいな顔して戻ってきて
本日この場で即決して現金で買っていただけるということでしたら、
みたいなことを言う。そうすると父は、あんさんからこうたるからたのむで(あなたから買ってあげるからお願いします)、みたいな。
茶番だし、こういう接客が今はコストカットの対象なのだろうけど楽しかった。
ポイントに払うくらいだったらそういう接客にお金払いたい。

 

ポイント制は将来の買い物の約束をさせられている気分になる。
今ここにない自分の需要を執拗に掘り起こされている気分にも。
それが何より不愉快だ。

 

いずみん@まけてんか